まずここから考えていきます。まずは固まりとしてのお客様、自分の商圏について良く知ることです。
商圏候補のエリアの人口、年間着工頭数、平均年収、地域の好み。
たとえば中部地方でしたら、好まれるのはいわゆる洋館的な、装飾性の高い、デコラティブな感じです。
一方私の地元、香川県は比較的シンプルモダン系が人気があります。その地域だけしか見ていないと気づきにくいことかもしれませんが、その土地その土地で好まれるデザインの傾向があります。
すべてがそうであるというわけではありませんが、割合として偏りがありますので、そういったものを自分なりに明らかにしていきます。
商圏をどう考えるか
ところで、工務店の商圏とはどの位のエリアを考えたらよいでしょうか。
前回は簡単に紹介しましたが、日本各地で工務店のコンサルティング業務をさせて頂いた経験から私が得た結論は、「車で高速道路を使わずに、1時間以内で移動できる範囲」が中小規模の工務店にとっての適切な商圏であるということです。
工務店は、扱う商品が住宅ですから、金額的にも物理的にも大きなものです。また毎日・毎週リピート需要があるような商品ではありません。ほとんどのお客様にとって、生涯一度の買い物です。つまり再販はあまり、考えられません。
ということは、仕事を続けていくにつれ、近場のお客様は少なくなっていくということが考えられます。
では、どんどん商圏を拡大すれば良いのでしょうか。そうすると今度は、受注後のコスト面で問題が出てきます。なぜなら、お客様の所に移動するために長い時間がかかってしまうからです。
移動に時間がかかるということは、人的な費用がかさむということですから、割に合わなくなってきます。輸送費もかさみます。受注したのはいいけれども、思ったよりもコストがかかって利益が下がってしまったのでは骨折り損のくたびれ儲け、とまではいかなくても効率が良いとは言えません。
ですから、車で高速道路を使わずに、1時間以内で移動できる範囲。それがあなたの商圏です。
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