新型コロナウイルスに端を発するウッドショックなどの価格高騰が後を引き、工務店は依然として苦しい状況下で戦っている。そんな工務店をサポートする住宅ネットワークや関連団体は、現況をどのように分析し、今後を見据えどんな対策やサービスを提供・準備しているのか。ヒアリングをもとに整理した。
【資材・木材価格高騰】
金額保証するネットワークも
資材提供を行っているネットワークの多くが、昨春ごろから資材価格を段階的に値上げしている。値上げ手法はさまざまで、メーカーや材木店から価格改定があったらすぐに加盟店への卸値に反映させる、利益率にある程度余裕を見た金額で3カ月など期間を区切って価格改定を行う、メーカーに交渉を行ったうえで半年に1回値上げを行うなど。価格はとくに木材が高止まりしている状況だ。
そんな中で、構造材PFウッドを提供するイノスグループでは、資材価格を一定期間据え置く金額保証制度を取り入れている。工務店からの依頼を受けて制作した独自のCADシステム(XCAD)のCADデータを納品したタイミングから換算し、木材や合板は3カ月間、一般建材は半年間は価格を変えない。資材供給の流れが滞ることもほとんどなかったといい、上記制度と合わせて工務店の安定的な事業計画をサポートしている。
ARC style(静岡県富士市)では、親会社の nattoku 住宅(同市)の原価を基準に、加盟店と一対一でその工務店の住宅原価を見直しする体制を整えている。仕入れ量が多くメーカーや問屋との折衝が比較的有利な nattoku住宅の原価と比べ、近しい価格であれば “ よい金額 ” と伝える。反対に乖離しすぎているようであれば、メーカーとの価格交渉の手法をアドバイスしたり、ARC styleとしてメーカーに働きかけ共同仕入れとして安く手に入るよう工夫するという。
【資材・木材供給】
落ち着きつつあるが予断許さず
資材や木材の供給状況は、プレカットなどの自社工場を有するネットワークは前年の出荷状況を参考に加盟店分を確保し、多少の滞りはあったものの安定供給を維持。海外で生産・輸入している資材については、昨春から半年間程度は遅延が発生することもあったが、現在は供給自体は落ち着きつつあるという。しかし世界情勢を考えると・・・
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