住宅業界を襲っている危機の概要と、それを突破するための対策の基本を、Q&A 形式でまとめた。本稿では「資材ショック」を解説し、その具体的な対応策を提言していく。
Q. 工務店の経営環境はどうなる?[市場環境]
A.資材ショックは基本継続。予算二極化・集客受注難が加速。工務店の倒産廃業も増える
工務店・住宅業界が直面し加速する危機を[図]にまとめた。
円安の加速は資源争奪戦での買い負けや資材価格上昇の原因となり、資材ショックは基本的には継続する。
インフレが加速するなか、台湾侵攻を含む戦争や各国の経済政策次第では世界不況もありうる。世界の工場である中国の今後も不透明だ。ゼロコロナ政策で工場・物流が不安定化、米中対立加速で外国企業の撤退も始まっており、日本の資材メーカーの生産・物流にも今後影響しそうだ。不況になれば住宅需要=資材需要が落ち込むため、資材ショックはやわらぐが、逆に過剰生産・在庫リスクが表面化する。
日本では賃上げが遅れており、インフレ・不況の継続はスタグフレーションを招き、住宅予算の二極化、顧客の様子見&需要の冷え込み、集客受注難、着工減が深刻化する。そうなると工務店の倒産・廃業、M&A が増える。一方で、危機を変化の機会と捉え地力を高めた工務店には追い風となる。
Q. 資材ショック&コスト対策は?[資材ショック]
A.危機を逆手に値上げを。設計・仕様・資材調達の見直し、工務店連携も有効
足下の危機突破策として1.資材ショック・コスト対策、2.現場DX、3.集客営業再構築の3つを挙げる。まず1の切り口を[図]に整理した。
①は、価格転嫁に加え、危機を逆手に取り質と価格を同時に上げて競争力を高めることも検討したい。
その1つの方法が性能を確保しつつコンパクトな敷地&建物とする③小さな家化だ。小さくとも豊かな空間・時間を実現する設計力は強みとなる。
④はコスト対策の基本。標準化と簡素化(過剰抑制&シンプル化)、そこにDXも重ね・・・
続きは「工務店のための危機突破読本2022」
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