東急不動産(東京都渋谷区)はこのほど、木・鉄骨のハイブリッド耐震システム「木鋼組子(モッコウクミコ)」を国内で初めて採用した13階建てビル、「COERU SHIBUYA(コエルシブヤ)」が竣工したと発表した。同社が展開する、オフィス・商業の垣根を越えたコンパクトビル「COERU」シリーズの第一弾として竣工。
同物件は、外部から視認性の高いファサード2面に、ラチス状の木・鉄骨のハイブリッド耐震システムである「木鋼組子」を使用。加えて、10階から13階の上層階の柱梁に木質ハイブリッド集成材を使用し、エントランスホールにも一部天然木を使用することで、建物内外から木材のぬくもりを感じられるようにしたという。また、グリーン電力の導入も決定している。
「木鋼組子」は、木と鉄骨のハイブリッドブレース。鋼板の芯材の外周を木で挟み一体化したものを、ラチス形状にユニット化したシステムで、圧縮力に強い “木”と引張力に強い“鉄骨”を組み合わせることで靭性の高い耐力要素を生み出すことができ、高層鉄骨造のビルなどに適用することが可能となった。同システムは、前田建設工業(東京都千代田区)とホルツストラが共同開発したもので、共同特許出願中の技術となる。
同物件は、国土交通省の「サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択されている。
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