タカラスタンダード(大阪市)が8月2日発表した2023年3月期の第1四半期決算は、新築・リフォームともに好調に推移し、売上高が過去最高となる前年同期比9%増の543億5400万円だった。一方、純利益は、主要資材である鋼板・ステンレスの価格高騰が大きく響き、同15.7%減の22億8900万円となった。
新型コロナの影響による住環境への関心の高まりが継続し、売り上げは新築・リフォームの全部門で引き続き好調だった。キッチンは、2022年4月に資材価格の高騰により値上げを実施したが、順調に売上を伸ばし、特に中高級シリーズの「レミュー」・「トレーシア」を中心にホーローシステムキッチンの売上が伸長した。浴室も順調に推移し、新築マンション向けのシステムバスは前年比約200%と大きく伸びた。洗面化粧台も4月に値上げをしたが、こちらも新築、リフォームともに順調に売上が拡大。中高級シリーズのホーロー洗面化粧台「エリーナ」・「ファミーユ」、木製洗面化粧台の拡販が進んだ。2021年8月に発売した「コンパクト手洗い」も好評で、タッチレス水栓へのニーズも強いという。
しかし、利益は資材価格の高騰で第1四半期に累計13億円の影響が出た。影響額の約半分がホーローの主要資材である鋼板、ステンレスの値上げによるものだった。現在も価格高騰は続いており、今後の利益計画達成については予断を許さない状況という。第1四半期における価格改定の効果も軽微なものだった。
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