LIXIL(東京都江東区)が7月29日発表した2023年3月期の第1四半期決算は、売上高が前年同期比4%増の3603億円、事業利益が69.8%減の70億円で増収減益となった。為替の影響や国内リフォーム売上の伸長により増収となったものの、事業利益は、原材料・資材価格や物流費の高騰、サプライチェーンの寸断への対応などによるコスト増が利益を押し下げ、前年同期比から161億円のマイナスとなった。
瀬戸欣哉社長は、大幅な減益となるも、価格改定、サプライチェーンの強靭化、営業政策の転換や固定費の削減など様々な施策の成果が出ているとし、また、原材料価格も直近では下落傾向にあるとして、「事業利益は苦戦したが、3月を底として4~6月は順次回復している。今年10月以降から値上げの効果も本格的に発現する」と述べ、利益は回復基調であることを強調した。
水まわり事業を手がけるLWT事業においては、⼀部機器調達が再開したことでリフォーム関連の売上が回復し、日本事業の売り上げは前年同水準で推移したものの、利益は微減となった。海外事業は、アジア太平洋地域での売上増が寄与し増収となったが、インフレによるコスト増で減益。LWTの売上収益は前年同期比4.9%増の2210億円、事業利益は44.1%減の132億円となった。
住宅建材事業のLHT事業は、住宅性能・快適性の向上を目的としたリフォーム需要の増加により、売り上げは増加した。しかし、為替の影響を背景とした想定を上回る原材料・資材価格の上昇により事業利益は大きく減少。LHTの売上収益は前年同期比2.6%増の1430億円、事業利益は68.5%減の31億円となった。
瀬戸社長は、「6000万戸ある中古住宅への対応にビジネスチャンスがある。今後リフォームにかなり期待できる」とし、その中でも「窓のリフォームが一番求められている。エネルギー・環境問題解決へも貢献できる」と住宅性能向上を図るリフォーム・リノベーションに向けた取り組みのさらなる強化を行うとした。
2023年3月期の連結業績予想については、利益や利益率が回復基調にあることから、売上収益は対前期比6.4%増の1兆2500億円、事業利益は同24.9%増の810億円と据え置いた。
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