長谷工コーポレーション(東京都港区)は7月28日、長谷工グループの細田工務店(東京都杉並区)と共同で、鉄筋コンクリート造と同等の遮音性能を実現する「木造高遮音二重床システム」を開発したと発表した。
建材試験センターの性能試験では、上下階型残響室の開口に同システムを設置して床衝撃音レベルを測定。重量床衝撃音性能LH-45、軽量床衝撃音性能LL-35という高い遮音性能を確認した。
同社は「2050年カーボンニュートラル」に向け、マンションの木造化に取り組んでいるが、木造建築物は鉄筋コンクリート造よりも遮音性能が劣るという問題があった。同システムは、音の振動による伝播を減らすため「構造床」と「二重床」の重量バランスを最適化し、「吊天井」と「構造床」を分離して設置することで遮音性能を向上させている。マンションへの採用は、遮音性向上以外にも、木材使用による建築物全体の軽量化や、加工のしやすさによる工期短縮、構成部材の汎用性の高さがなどのメリットがあるとする。
長谷工グループでは、2014年からマンションの木造化・木質化を進めており、「ブランシエスタ王子」「ルネ横浜戸塚」などの共用棟において施工実績がある。共同住宅本体の木造化も進め、細田工務店の設計施工を基本とした取り組みを積極的に推進するとしている。
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