古い木造家屋の大規模改修でのこと。要望をヒアリングしたのちに見積もりを出すと、建て主は「他社ではもっと安かった」と言い出した。キッチンやトイレなどはインターネットで購入して施主支給してコストダウンしたいという。結果的に施主支給品の納期が遅れ、工期にも支障が。違約金を請求される騒ぎになってしまった。
【住宅ライター:渡辺圭彦】
リフォーム会社を営むT氏は地元での交友関係が広い。今回の大規模改修の建て主も古くからの付き合いのある有力者の紹介によるものだ。「嫌な予感はあったんですけど、なかなかビジネスライクに断ることはできなかったんですよねえ」とT氏はぼやく。
インターネットの情報を引き合いに交渉される
建物は築40年を過ぎ、耐震改修も必要。構造を補修しながら、内外装だけでなく設備機器もすべて交換することになった。建て主は実家を受け継いだという50歳前後の男性。「自己主張の強いタイプできちょうめん。私の作成した見積書もすべて目を通して、項目ごとにインターネットで調べたという金額を示しては、”なぜこれは高いのか”と確認してくるんです」。T氏はそのたびに・・・
この記事は最新号『新建ハウジング紙面 7月20日号 7面』に掲載しています。
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