ロシア産アカ松KD30×40mmはS級良材で13万円/m3(市売り)前後、値上がり前と比較して2倍に価格が上昇した。新型コロナ禍の影響でロシアにおける素材・製材生産がともに低迷し、供給減から製材輸出価格が急上昇したためだ。
ただ、国内価格の急騰原因は、先高を見越した流通筋の高値大量買いに端を発したロシア産地への引き合い増、そしてこれを商機とみたロシア側の輸出価格大幅引き上げによるものだ。価格は需給次第とはいえ、ここまで高騰させる必要があったのか。
今年に入り、ロシアによるウクライナ侵攻という新たな要因が加わり、市場はアカ松KD羽柄材等に駆け込み需要が入り一段と国内価格を押し上げたが、こうした高値が一方でロシア材アカ松KD羽柄材の需要を減退させ、代替材の台頭を促す可能性も無視できない情勢だ。
ロシア材アカ松KD野縁等の高値に工務店は困惑を隠さない。入荷は今後、減少に転じ、需給は引き締まると予想されるが、「これ以上の高値でも市場はロシア材アカ松KD羽柄材を必要とするのか疑問」と語る。円安を受け輸入元は一段高の構えだ。
ロシア材アカ松KD原板を原材料に羽柄材を再割製材している関西の製材事業者は「KD原板産地価格は続伸しているが、需要の反動減が怖い。当社は輸入材に比べかなり割安な価格設定をしている」と語る。ロシア産アカ松KD材の使い勝手の良さは多くが認めるところだが・・・
この記事は最新号『新建ハウジング紙面 7月20日号 10-11面』に掲載しています。
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