問い合わせ・資料請求から引き渡し後のアフターまで、工務店と施主の関係は長きにわたって続く。しかし大勢の OB 施主を、もれなくフォローするのも大変だ。パナソニックの工務店向けクラウド「sumgoo(スムグー)」は、工務店の業務支援、施主コミュニケーションの双方で強力な情報共有・蓄積機能を搭載し、新築からアフター・リフォームまで一気通貫で対応する。今までの顧客管理・業務支援システムとは何が違うのか、同社開発担当の佐藤和基さん、高橋慎司さんを直撃した。
「担当者対顧客」になっていないか
工務店と施主との関係といっても、現実は“いち担当者と施主の関係 ”になっている会社が多いのではないだろうか。これはひとえに「社内の情報共有が難しく、不十分になりがちだからです」と佐藤さんは指摘する。
その顧客の細かな属性や志向、ヒアリングの結果を、営業の担当者個人で保存している状況では、設計や現場監督に引き継ぐ過程で顧客の真意からずれてしまうこともある。予算を理由に設計を変更するにも、要望を正しく汲めず、ただコストを抑えるだけの提案になれば、満足度低下を招きかねない。“言った言わない”、“こう言ったつもりだったのに理解してくれなかった”は顧客を失望させる。「お客様は家づくりの中心にいる、絶対に外せない存在です」(高橋さん)。「これだけ多くの情報が流通している世の中で、お客様の力は間違いなく上がっていますよね。工務店の皆様には、未来のためにも、今、顧客満足度を高めていただきたいと思います」(佐藤さん)
顧客とも社員ともあらゆる情報を共有可能
sumgooでは、顧客情報の属人化を防ぐため、クラウド上での共有機能を充実させた。「会話」機能は、顧客とのチャット履歴を、社内全体で閲覧可能にする。顧客1人に対し複数のスレッドを立ててもOKだ。“〇日までに床材の色を決めてほしい”といったお願いがあるときは、その名の通りの「お願いごと」機能が活躍する。
打ち合わせ等の履歴は「決定事項の背景」としても機能する。「どういう打ち合わせを経てそう決まったのかがわかれば、提案の方向性もずれない」ので、顧客、あるいは設計・現場監督との認識の齟齬も解消されるだろう。工事の進捗も、顧客にとっては気になるもの。とはいえ、急に現場に来られても対応が大変、というのもまた工務店の本音だろう。sumgooなら、「タイムライン」機能で、随時現場の状況を伝えられる。移住など、遠方の顧客にも力を発揮しそうだ。
業務改善にも情報共有は効く
社内の情報共有不足も、今の工務店が抱える大きな問題だ。業務の進め方が人それぞれで、誰によって何が進められているのかわからない。個人の能力に頼りすぎ、標準化できない――経営者にとっても頭の痛い問題だし、最前線で働く社員にも負担がかかる。工務店の内部業務改善にも、「業務の標準化を目指し開発しました」というsumgooは力を発揮する。「タスク管理」機能は、新築の基本的なタスクを盛り込んだテンプレートがあらかじめ用意されているので、すぐに、新人でも必要なタスクがこなせるようになる。
タスクのテンプレートはカスタマイズも可能。数個のタスクで十分な工務店もあれば、20 ~ 30のタスクを設定している工務店もあるという。顧客、物件、案件をひもづけて管理・活用できる「顧客情報管理」も、工務店ごとに独自のフォーマットを作成可能。自社にとって最も使い良いシステムにできるのも、sumgooの強みだ。
誰でも負担なく得た情報を会社の資産に
sumgooは、全ての機能をウェブブラウザ上で利用する。特別にソフト・アプリをインストールしたり、高スペックのパソコンを用意する必要はない。顧客も、パソコン・スマートフォンなどインターネットができる環境さえあれば大丈夫だ。
料金は一カ月2万円(税抜)からの従量課金制。進行中の案件数に応じて料金が発生する料金体系となっている。利用者IDは料金に関わらず無制限なので、せっかくの情報を、一部の社員しか確認できないということにもならない。今後は、さらにわかりやすく利用しやすい料金体系に見直していく予定だ。正しく蓄積された情報は資産になる。業務に関わることは独自ノウハウの源になるし、顧客の情報は将来の受注を生む卵になる。sumgooは、情報の資産化を支援するソリューションだ。
佐藤さん曰く「工務店がそれぞれの地域とともに発展していくために、業務の属人化に悩んでいる方や、事業承継を控え、次世代にお客様をしっかり引き継ぎたいと考えている工務店に(sumgooを)使っていただきたいですね」。高橋さんも「工務店も今までのやり方を改めなくてはいけないと感じているのではないでしょうか。その悩みに、ぴったりはまるサービスを提供します」と話す。
物件・顧客情報を活用した攻めのリフォーム営業
sumgoo に蓄積されたデータは「攻めのリフォーム営業」の格好の材料だ。築年数から点検・メンテナンスの時期を判断するのはもちろん、顧客の年齢から、例えば高齢期に備えたバリアフリー化を提案する、ということも可能だ。そろそろ点検の連絡をしよう――頭では必要だとわかっていても、時間が経つとつい忘れてしまうことだってある。物件や工事の情報、顧客の情報、双方をもれなく管理できる sumgoo なら、アフターの受注機会を逃さず、確実に利益を得ていくことができる。
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