人材不足の中、ひとりの現場監督にかかる負担は増すばかり。複数の現場を回ったあと、疲れた体で夜遅くまでデスクワーク、という働き方はいかにも非効率だ。ライフデザイン・カバヤ(岡山県岡山市)では、セーフィーのクラウド現場カメラ『Safi e GO(セーフィー ゴー)』シリーズ、『Safi e Pocket2(セーフィー ポケット ツー)』を導入し、現場管理の効率化・生産性向上をより推し進めることに成功。同社執行役員で工事本部長の山岡嘉彦さんに、カメラを活用した遠隔管理の可能性について話を伺った。
エリア拡大により現場管理の負担が増大
今年で創業50 周年を迎えるライフデザイン・カバヤは、中四国を中心に約50拠点を展開している。岡山県内では高いシェア率を誇っているが、日本の人口減少や少子高齢化による新築需要減を見据え、エリアを拡大することで受注機会の拡大を図ってきた。
拠点が多地域に渡るため、各支店単位の工事部門がそれぞれのエリアの現場管理を行っている。しかし、多拠点化が進むにつれて、現場監督の移動時間が問題になり始めた。同社では、支店から1時間圏内を原則としているが、支店を置くエリアの地域性によって、商圏をそれ以上に設定する必要がある。そのため「拠点によっては遠隔地の現場の割合が大きくなってしまう」と山岡さん。“一現場だけ、ぽつんと離れている”パターンも増えてきた。遠い現場は、突発的なトラブル等にも対応しづらい。
受注拡大のため商圏の拡大は大事だが、対応エリアが広くなると、移動に時間を取られ現場監督の負担が増えてしまうのは、同社に限った話ではない。改善は急務だった。
現場映像の共有がチームの生産性に貢献
現場監督の移動という問題を解決するため、山岡さんは、カメラを使った遠隔管理の導入に踏み切る。屋外向けの『Safi e GO』シリーズを定点カメラとし、現場にはウエアラブル型の『Safi e Pocket2』を1棟1台備え付けるのが、今のところ「最も使い勝手がいい」スタイルだという。
同社の現場管理で最も特徴的なのは、3人一組のチーム制を取っている点だ。生産性向上や人材育成、福利厚生の充実(休暇を取得しやすくするなど)を図るのが狙いで、合計9チームでほぼ全棟の管理をこなしている。
カメラ導入はさらなるチームの生産性向上に効果を発揮した。全員が現場に行かずとも情報共有が可能になった。ウエアラブルカメラ・Safi e Pocket2を、現場に配置して回るのだ。その映像を他の2人が見れば「3人全員が現場の状況を把握できる」という。写真に比べ、情報量の多い映像は、指示・指導の面から言っても有効だ。
また、定点カメラSafi e GOシリーズは現場を上部から俯瞰的に撮影することで、進捗状況の確認に使っている。Safi e GOシリーズは、防犯カメラの役割も兼ねる。人の動きなどを検知するので、不審な人物の立ち入りがあったとしても、その時間や様子は一目瞭然。遠隔地の現場でも安心だ。
クラウド保存とリアルタイムの利点を使い分ける
カメラの映像がクラウド上に保存されるのも、山岡さんがセーフィーの利点として感じる部分のひとつ。当初は、iPhoneのFacetimeなど、無料のビデオ通話アプリでも事足りると考えていたが、実際にやってみると、思わぬ問題が起きたという。
ビデオ通話アプリを遠隔管理に使おうとすると、移動こそ不要だが、相手が同じ時間に、通話が可能な状態で待機しなくてはならない。「リアルタイムならビデオ通話でも間に合う。しかし、結局は無駄な時間が発生して、効率はあまり上がらないし、ベテランも使わなくなる」(山岡さん)。
その点、セーフィーでは映像が保存されている上、保存先はクラウドのため、ブラウザやスマホ・タブレットで視聴できる。例えば、ベテランの現場監督が帰社した後、保存された映像を見ながら各チームの現場管理状況をチェックすることも可能。「スケジュール通りに現場を回り、会社に戻ってから、というやり方のほうが、時間的な拘束のハードルを下げられる」(山岡さん)。忙しい現場監督にとって嬉しいポイントだろう。
Safi e Pocket2はリアルタイムでの確認・通話もできるため、同社の新入社員は2週間の現場研修を、今年はSafi e Pocket2を持って行っている。遠隔で指導しベテランの負担を減らし、新人を早期に戦力化する目的だ。将来は、保存された映像を教材として使うことも考えているという。
大工目線でも「状況共有が楽で便利」
各工程完了時の完工確認は、大工にSafi e Pocket2を持って現場を回ってもらうことで、監督不在でも可能になった。いずれは、他部署のスタッフによる竣工検査も考えているという。大工からの反応も上々だ。現場にSafi e Pocket2があれば、離れた現場監督でもすぐに確認できるため、電話で細かく説明する手間が不要に。同社の現場を担当する大工は「現場を監督が見てくれさえすれば、すぐに話を進められるのでとても便利」だと話す。手のひらサイズでハンズフリーで扱えるため、墨出しや図面記入などが同時に行なえることも現場では大きなメリットだ。
人材不足の中、現場管理のDXは不可避
同社はセーフィーカメラの導入から約3カ月で、大きな成果が得られていると言えるだろう。現場管理の手法もフレキシブルになった。同社の沖縄営業所では、現場監督を置かず、大工が監督役割を兼ねる体制としたが、本社あるいは福岡営業所からの遠隔管理によって、問題なく現場が回っているという。山岡さんは「現場管理のDXは、もはや不可避な社会状況になっている」と説く。少子高齢化が進めば、住宅業界・建設業の就労人口も減るだろう。慢性的な人材不足が続くと予想される中、より少ない人数で品質を保つには、今以上の効率化が必要だ。
遠隔管理は、効率化のためには極めて有効な手段。山岡さんは「Safi e GOシリーズとSafi e Pocket2が5セットあれば、1~1.5人工に匹敵する」と話す。導入コストの負担も「費用対効果を考えれば、メリットの大きさはあまりあるほど」。人手不足や新人教育に悩んでいる工務店には、ぜひ一度検討してほしい手法だ。
お問い合わせ:セーフィー株式会社
〒 141-0031 東京都品川区西五反田1丁目5-1 A-PLACE五反田駅前4F
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