近年、住宅業界で賛否両論を巻き起こしているのが、「プロ施主」という存在だ。一部では「偏った生半可な知識で難癖をつけてくる困った客」と語られる一方で、「独学で家づくりの知識を身につけた、これからの時代の施主」という未来志向的な見方をされることもある。本紙ではプロである工務店と、そして実際に自身の家づくりを終えてもSNSなどで発信しながら生活者に対する影響力を持つ「プロ施主」を取材。実情を探った。
【編集部:栁原潤、松本めぐみ、荒井隆大、住宅ライター・渡辺圭彦】
つながるプロ施主、正しい理解と経験値共有
建てた後もSNSで発信、フォロワーから相談も
本紙では「プロ施主」を、理想の家づくりを目指し、プロ並みの知識欲をもって学び、正しく理解し、自らの経験や知識を提供する生活者(施主)と定義する。根拠不明の情報や前提条件の異なる中途半端な知識や都合のいい情報をパズルのように断片的にかき集め、工務店に難題として突き付ける“クレーマー施主”とは異なる。
本紙は複数のプロ施主にインタビューした。いずれも家づくりをきっかけに住宅の性能面などに興味を持ち、書籍や雑誌のほか、SNSやYouTubeなどインターネットを通じて独学で多くの知識を得た人たちだ。その多くが建てた後もSNSで発信を続けており、中にはこれから家を建てようというSNSのフォロワーからの相談を受けているケースもある。
素人は何が正しいのかわからない
Twitterで「さぬきペンギン@高性能住宅マニア」というアカウントを持つ男性は・・・
この記事は最新号『新建ハウジング紙面 7月20日号 1-3面』に掲載しています。
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