コロナ禍におけるウクライナ情勢に伴う原油価格・物価高騰、上がらない給料、住宅業界を直撃する資材価格の高騰など、工務店が直面する危機的な状況を挙げれば枚挙にいとまがない。
常に地域の経済、生活者と向き合う工務店からは「住宅の買い控えが起こるのでは」「庶民が新築住宅を手に入れることが難しい時代になる」「このままでは住宅業界で倒産・廃業が相次ぐかもしれない」といった悲観的な声も聞かれる。
しかし、家づくりと家守りを担う地域工務店は絶対に生き残らなければならない。この危機を突破しなければならない。地域と、地域の生活者のために、そしてそこで働く人たちのために。
脱炭素化やコロナ禍に伴う社会・経済、人々の価値観・ライフスタイル・行動様式の変化を受け、真に豊かな住まいへのニーズは増している。長期的には、良質な住宅を丁寧につくる地域工務店の存在価値は高まっていくはずだ。だからこそ、知恵を絞り、力を合わせて、何としてでも、いま目の前にある危機を突破しなければ。
家康に学ぶ危機対応
本書のタイトルは「工務店のための危機突破読本」だ。[P20]以降に示したデータを見ても、工務店を取り巻く外部環境は危機と呼べる状況にあると言える。
「あぶない所へ来ると、馬から降りて歩く。これが秘伝である」
(徳川家康)
これは江戸幕府という超永続組織を創業した名経営者と言える徳川家康が残した危機対応の至言だ。危機の際は「格好をつけない」「一か八かの賭けはしない」のが鉄則だ。馬術の達人だった家康でも危機を察知した際は格好をつけずに無理せず馬から下りて歩くなど、決して無謀なことを行わなかったという。
一時的危機か大きな変化か
ただし、インフレや資材ショック、集客受注難など現在の危機的状況は、無謀なことをせずにやり過ごせば乗り切れる一時的なものなのか、大きな変化として定着・常態化するものなかは一考すべきだ。後者であればただやり過ごすことはできない。変化に即して自らも変化していく必要がある。ここは先読みが難しい。例えば・・・・
続きは「工務店のための危機突破読本2022」
(2022年6月30日発行、定価1980円)でお読みいただけます。定期購読者の皆様には新建ハウジング6月30日号の付録としてお送りしています。
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