LIXIL(東京都江東区)は、大府市および介護付有料老人ホーム・フラワーサーチ大府(愛知県大府市)協力のもと、IoTやAIのテクノロジーを実装したコンセプト「トイレからのお便り」を高齢者施設のトイレに設置し、今後の事業化へ発展させるトイレ実証実験を開始した。
高齢者施設においてトイレ利用時における状況の把握および排便状況の確認は、衛生的で健康的な生活を維持するうえで重要な項目となっている。しかしながらトイレ内での転倒や排泄時の粗相による衛生状態不良を防ぐためにスタッフによる過度な巡回に加えて頻繁な清掃・洗濯が必要となるなど、身体・精神的負荷が高い状況だ。また、排便状況の記録は、入居者の健康管理を行ううえで重要な項目だが、記録の抜け漏れや排便状況の把握が困難な事例、心理的な抵抗など、解決困難な課題が多くある。
そういった課題解決に向け同社では、コンセプト「トイレからのお便り」にて、トイレ利用をIoT活用し通知する“トイレ利用通知”と、AI活用し自動で排便の判定・記録をする“排便管理”の2つの機能を研究・開発している。“トイレ利用通知”は、トイレ内にセンサーを設置し、トイレの利用(入室や着座等)を検知してスタッフのスマホに一斉に通知する機能。これにより、適切な介助行為を手助けする。利用通知の条件は入居者の特性に応じてスタッフが変更可能。“排便管理”は、排便のタイミング、便の形、便の大きさを、AI技術を活用し自動で判定・記録し、その結果をステーションで一括確認できる機能。高齢者施設において手書きで行われていた排便記録が自動化され、把握が難しかった認知症の入居者などの排便状況を把握できるようになる。
「トイレからのお便り」は、同社が開発した高齢者施設におけるトイレソリューションの総称。今回の実証実験にて、高齢者施設の利用者やスタッフの声を聞いた結果を踏まえ、製品の事業化検討を進めていく。
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