芝浦工業大学(東京都港区)はこのほど、デザイン工学部・橋田規子教授がデザインし、タカギ(福岡県北九州市)が製造・販売するタッチレス蛇口一体型浄水器「LC」が、世界3大デザイン賞である「iF Design Award 2021」と「Red Dot Design Award 2022」を受賞したと発表した。
同商品は、ペットボトルのごみ問題などから需要が高まっている浄水器付き水栓に、高級感を演出するダースネックデザインを採用したもの。これまで浄水カートリッジの交換が容易な「蛇口一体型浄水器」は、浄水カートリッジ格納の技術面からストレート型だったが、タカギが新たな技術開発に成功。利便性を確保しながら、「グースネックデザインで、より操作性が高く安全な水栓が欲しい」という市場のニーズに対応した。
企画開発にあたり「女性目線での美しいデザイン性と機能性を狙いとしたい」との考えから、デザインに関する共同研究を進めていた橋田教授に監修を依頼。操作部全体をシームレス化し、浄水カートリッジが内蔵できる範囲でスパウト部分を極力細くした優雅なデザインとなっている。
また、コロナ禍により日常生活においても非接触で衛生的なものが求められていることから、スパウト部にタッチレスセンサーを搭載。浄水カートリッジの長さを削減することで小型化を実現し、センサーを搭載しつつも浄水機能・流量を確保している。センサーは側面にあるため、腕の動作を最小限に抑えながらスムーズに使用できる。非接触に加え、洗剤や水が水洗に垂れづらく、水回りをきれいに保つことができるという。
4月に発売以降、キッチンに美しく映えるシンプルなデザイン性と操作性、機能性が高く評価され、この度のデザイン賞受賞となった。夏には「LC」ブラックマットモデルの販売を予定している。
橋田教授は「なぜ、人はそれを魅力的に感じるのか」をテーマに、エモーショナル(感性)の要素解明とそれを応用した魅力的なものづくりを、工学知識を取り入れながら研究しており、デザイナーとしても多くの製品開発に携わっている。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。