サイバーエージェント(東京都渋谷区)は7月12日、メタバース空間における建築物や空間デザインの研究・企画・制作を目的にした専門組織「Metaverse Architecture Lab(メタバースアーキテクチャラボ)」を設立したと発表した。顧問には、建築家の隈研吾さん(東京大学特別教授・名誉教授)が就任した。
同組織では、簡易テンプレートで構築するバーチャル店舗、実在の街並み・実店舗を再現した空間・建築物、建築基準法などの法規制にとらわれないオリジナルのメタバース空間デザインや、ユーザー体験・ブランディング価値を高めるバーチャル建築物の在り方について隈さんとともに研究。アパレルなどのブランド企業や小売企業の販促およびブランディング活動において、新しい価値を生み出すバーチャル建築物を制作する。
商業空間だけでなく、複合施設や仮想都市などの開発、メタバース空間だからこそ実現可能な建築のコンセプト設計、コンテンツ企画やユーザー体験の設計など、バーチャル建築物のアーキテクチャ概念の検証から実証実験、プロトタイプの作成まで取り組んでいく。組織設立に伴い、同社はバーチャル建築物ならではの価値創造に取り組む空間デザイナーやCGアーティストなど、クリエイター・デザイナー職の採用を強化。さらなる体制強化を図る。
同社は「Metaverse Architecture Lab」を通じ、建築家や空間デザイナー、コンセプトアーティストなどのクリエイターと、従来の概念にとらわれないメタバース空間だからこそ実現できる空間デザインや建築物の研究・企画、新しい価値創造に取り組み、企業の新たなマーケティング活動の拡大に貢献するとしている。
隈研吾さんは、「バーチャル空間では、周辺の環境に負荷をかけない『わるさをしない』新しい建築ができるかもしれない。制限のない空間だからこそ実現できる建築の可能性を探りたい」とコメントしている。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。