パナソニック・空室空調社はこのほど、廃熱を有効活用した業務用空調ソリューションによる分散型エネルギー事業に本格参入すると発表した。「パナソニックRe廃熱」と名付け、国内トップシェアを誇る業務用空調機器「吸収式冷凍機(ナチュラルチラー)」と、コージェネレーションシステムとを組み合わせ、潜在ニーズが見込める中小規模事業者や地方自治体を中心に提案。業務用空調向けIoTサービス「Panasonic HVAC CLOUD(パナソニック ヒーバッククラウド)」を開始し、専門組織の「分散型エネルギー事業推進室」を新設して、導入コンサルティングから、運用、アフターフォローまで対応する。
同社の小松原宏・業務用空調ビジネスユニット長は、「パナソニックRe廃熱」の背景には、健康・衛生意識の高まりや省人化、脱炭素といった社会からの要請があると説明。提供する価値として①安心・安全、活力の創出、②カーボンニュートラル・省エネ貢献――の2つを挙げた。
まず、①に関しては、ナノイーXによる空気室改善を業務用(飲食や老健など)にも拡大。また、IoTを活用した遠隔制御によるエネルギー消費量削減などの仕組みをソリューションサ―ビスにつなげる。
一方②に関しては、廃熱を使って直接冷房できるナチュラルチラーに、コージェネの廃熱を利用。BCPの非常用電源の確保や省エネ・環境への貢献など、中規模の病院・工場・公共施設等にも分散型エネルギー事業を提案していくとしている。
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