国土交通省は7月8日、2022年度の「BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業」のうち、先導事業者型4件、パートナー事業者型3件の採択提案を決定した。同時に、本年度2次募集として、「先導事業者型」と「中小事業者BIM試行型」の募集を開始した。
BIM(Building Information Modeling)は、コンピュータ上に作成した建築物の3Dなどの形状情報に、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等の属性情報も加えた建築物情報モデルを構築するもの。
同事業の「先導事業者型」はBIMを活用した建築プロジェクトの効果等を検証する先導的な取り組みについて国が補助(上限3000万円)する。一方、「パートナー事業者型」は、BIMを通じたデジタルデータの活用による生産性向上、建築物・データの価値向上や様々なサービスの創出等を通じたメリットの検証や、課題の分析等について、建築BIM推進会議と連携し、提言を行うため自らの費用負担で検証する取り組みを採択する。
今回採択された「先導事業者型」は、①拡張進化型維持管理システムを活用したプロセスマネジメントにおける業務効率化の効果検証と課題分析(梓設計、梓総合研究所、戸田建設、ハリマビステム)②フィージビリティスタディ BIM – F/S BIM―庁舎建築 BIM を用いた概算手法の検証―(石本建築事務所、エステム建築事務所)③やさしい BIM を用いた発注者によるライフサイクルアセスメント業務の効率化検証(日建設計コンストラクション・マネジメント)④BIM Uses Definitions~BIM の効果的な活用を促すためのハンドブック(日建設計)――の4件。
「パートナー事業者型」は①発注者のBIM 活用のための「デジタル・ケイパビリティ」構築支援に関する検証(明豊ファシリティワークス)②建設不動産バリューチェーンのBIM 連携での維持管理・運用段階の発注者メリットとデータ要件の検証(東急建設、東急コミュニティー)③鋼製建具生産サプライチェーンにおける生産性向上のためのBIM 活用方法の検証(野原ホールディングス、野原産業エンジニアリング、東亜建設工業)――の3件。
中小グループを募集
2次募集の締め切りは8月3日。このうち「中小事業者 BIM 試行型」の補助額は上限500万円。中小事業者による BIM 導入・活用の課題の分析等を通じ、▽BIMの導入から活用にいたる各ステップと効果を具体的にした業界共通のロードマップを示すこと、▽複数事業者(設計者、請負業者、専門工事業者、メーカー等を含めた複数事業者)が同時に取り組むことで、共通課題をともに解決する学びの場の提供や、単一業者内での利活用および共通して BIM データを活用する環境整備を行うこと――が狙い。
複数の事業者等でグループを結成し、(1)BIM の導入で生じる「課題の分析」と、「課題解決のために実施する対応策」の検討、(2)「BIMの活用効果」の検証と、その効果を増大させる「今後の改善方策」の検討、(3)中小事業者のBIM の導入・活用ロードマップ素案を提示――を求める。
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