住宅生産団体連合会(住団連)はこのほど、2021年の低層住宅建築工事における労働災害発生状況をまとめ、公表した。会員団体所属の会員企業277社へアンケート調査したもので、全体では完工棟数が前年比106%だったが、休業4日以上の労働災害発生件数は前年(2020年)と同じく388件だった。新築工事で完工棟数が前年比90%の減少にも拘らず102%の増加、解体工事で完工棟数が前年比133%の増加の中、43%の大幅な減少となった。住団連は、「数年来の増加傾向を抑える形」になったとしつつ、更に減少に転じるべく、より効果的な取り組みを求めている。
1000棟当りの災害発生件数は、新築工事は前年の2.69件から3.04件に増加。一方、全体の災害発生件数は、増改築・リフォーム工事と解体工事の災害発生件数が減少したことから、前年の0.99件から0.93件に減少している。
災害の型別発生状況では、「墜転落」によるものが、前年より約2ポイント増加し、全体の 47.7%を占めた。次いで、「工具(切れ・こすれ)」16.2%、「転倒」10.8%。「増加する高齢な技能者に配慮した職場づくりが急務」とした。
また、作業別では「建方」が前年より3.5ポイント増加し、27.5%を占めた。職種別では「大工」の被災が職種全体の 44.3%を占めており、「住宅建築における主力職種である大工」の災害を減少させるため、きめ細やかな取り組みが必要」などとしている。
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