ダイキン工業(大阪市)は7月8日、ポーランドのクサベルフ工業団地に3億ユーロ(1ユーロ125円換算で375億円)を投資し、ヒートポンプ式暖房機の新工場を設立すると発表した。2024年7月に稼動開始予定。
ドイツ、ベルギー、チェコに次ぐ欧州の新たな生産拠点として設立するもので、急増するヒートポンプ式暖房機の需要に対応。2025年には生産能力を4倍に拡大し、製品を安定供給できる生産体制を確立する。ポーランドの中央に位置するクサベルフ工業団地は、欧州市場全域へのアクセスが可能で、部品調達や熟練技術者などの雇用がしやすいという。
欧州では化石燃料使用の燃焼暖房が主流だったが、2050年までにEU域内の温室効果ガス排出量ゼロをめざす欧州グリーンディール政策によって、ヒートポンプ式暖房機の普及が加速。市場は10年間で年平均10%以上の成長が続き、2021年には販売台数が100万台に。2025年には年間300万台に拡大すると予測されている。
同社は、2006年に電気式のヒートポンプ暖房機の販売を開始するなど市場を開拓。欧州各国での品揃えを充実させ顧客ニーズに応えるとともに、既存工場への設備投資や雇用拡大により生産能力の増強を図ることで需要拡大に対応してきた。
同社は、戦略経営計画「FUSION25」において、欧州をヒートポンプ暖房事業拡大の最重要地域と位置づけている。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。