東京商工リサーチ(東京都千代田区)は6月28日16時時点で、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1000万円以上)が、全国で累計3547件(倒産3404件、弁護士一任・準備中143件)にのぼったと発表した。負債1000万円未満の小規模倒産を含めると累計3733件。
2022年に入っても毎月100件越えのハイペースが続いており、5月までの累計は前年同期比29.2%増の817件に達した。6月も28日までに169件と、今年3月に次ぐ過去2番目の高水準となっている。
外国人観光客の受け入れ再開や旅行補助「県民割」対象拡大の見通しなど、消費回復への期待が膨らんでいる一方、企業は経済活動の活発化によって運転資金確保が経営課題となるほか、アフターコロナに対応した資金需要の必要などにも迫られている。
政府主導の「中小企業活性化パッケージ」の関連施策など企業支援策は引き続き拡充されているが、業績不振の長期化で過剰債務に陥った企業が増加。コロナ関連融資後に息切れするケースもあり、今後もコロナ破たんは高水準で推移するとみられる。
業種別で見ると、建設業は工事計画の見直しなどの影響を受け392件となり、6月17日(16時時点)から7件増加。休業要請などで打撃を受けた飲食業577件に次いで多い。
都道府県別では、東京都が746件と全体の2割強(21.0%)を占め、大阪府351件、福岡県178件、愛知県173件、神奈川県156件、兵庫県150件、北海道142件、埼玉県134件と続く。10件未満は1県、10~20件未満が4県、20~50件未満が24県、50件以上100件未満が10府県、100件以上は8都道府県に広がっている。
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