6月13日、建築物省エネ法等の改正案が成立。2025年省エネ基準適合義務化とあわせて盛り込まれていた「4号特例の縮小」が確定的になった。木造2階建ても対象になる構造審査には、しかし、実は問題があるようだ。以前から4号特例に疑問を呈していたM’s構造設計代表・佐藤実さんも「思った以上に厄介な改正になるかもしれない」と予測する。
あまり知られていない “構造審査の落とし穴 ”は何か。佐藤さんに、現在明らかになっている情報から見解を伺った。
構造区分の「4号」は廃止、木造2階建ては2号建築物に
建築士が設計した、一定以下の規模の建築物について確認申請時の構造審査を省略する、いわゆる4号特例は、建築基準法第6条(構造区分)に基づく特例だ。今回の改正で4号の区分はなくなり、木造・非木造で区分されていた2号、3号は構造の別なく、階数や高さ、床面積による区分となる。
現行法で4号に区分される建築物(木造2階建て以下、高さ13m以下・軒高9m以下、延床面積500㎡以下)は、2号または3号建築物に区分される。木造2階建ては2号建築物として扱われることになる。
改正後も構造審査省略の特例がなくなるわけではないが、対象は3号建築物(平屋建て・200㎡以下)に限られる。工務店がつくる木造住宅の大部分は、構造審査の対象になると考えてよい。施行は省エネ基準適合義務化に合わせ、2025年になると見られている。
具体性に欠ける仕様規定が混乱を招く?
また、300㎡超では構造計算(許容応力度計算など)が義務化される。300㎡以下・2階建て以下の建物は今と変わらず仕様規定で良いが、この仕様規定に問題が潜んでいる、とM’s構造設計代表・佐藤実さんは指摘する。
仕様規定中、計算を要する・・・
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この記事は最新号『新建ハウジング6月30日号 1~3面』に掲載しています。
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