米労働省労働統計局が5月に発表した「生産者物価指数(Producer Price Index)」で、建材価格が年初比で5.4%、前年同月比で36.3%上昇したことが明らかになった。石膏製品の価格が先月比7.1%増と急騰したほか、その他の主要建材も値上がりが続いている。
針葉樹材の生産車価格指数は4月に15.6%と大幅に下落していたが、5月は0.4%の微増となった。指数は調査月の注文価格ではなく、主に調査月の出荷価格に基づいており、調査自体のタイミングにもラグがあるため、5月の指数には昨今の木材価格の下落が十分に反映されていない可能性がある。
シカゴ・マーカンタイル取引所(アメリカ・イリノイ州シカゴ)における材木先物価格は、6月27日現在で583.5米ドル(約7.9万円)となっており、「ウッドショック」初期の2020年7月末の価格水準にまで下がっている。
鉄鋼製品の生産者物価指数は10.7%上昇し、2か月連続の上昇となった。昨年1年間を通して下落がなく、年間で128.0%も上昇していた鉄鋼製品の価格は、十分に値下がりしないまま再び上昇に転じた。
生コンの生産者物価指数はじわじわと上昇しており、5月は0.9%の上昇となった。生コンはこの2年間、米4地域(北東部・西部・中西部・南部)のすべてで値上がっているが、価格の変化には地域差が大きく、中西部の上昇幅はプラス4.6%、西部の上昇幅はプラス23.7%となっている。
石膏製品の生産者物価指数は急上昇し、5月は7.1%の上昇率を記録した。2021年に著しく値上がりした(プラス23.0%)石膏製品は、2022年に入ってからは微増減・横ばいが続いていたが、ここにきて急騰を見せた。
建築用塗料の生産者物価指数は、5月に1.7%(外装)と0.2%(内装)、それぞれ上昇した。建築用塗料は2021年1月以降、一度も下落していない。
前年同月比で、トラック輸送費はプラス25.8%、海上輸送費はプラス35.7%、鉄道輸送費はプラス11.7%と、それぞれ大幅に上昇している。建材価格の高騰だけでなく、輸送費のサービス価格の高騰にも目を向ける必要がありそうだ。
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