日本不動産研究所(東京都港区)がこのほど公表した1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の既存マンションにおける3月の不動研住宅価格指数は、首都圏総合が109.01ポイント(前月比0.51%増)と21カ月連続の上昇となった。
東京都が120.34ポイント(同0.28%増)で23カ月連続、神奈川県が99.93ポイント(同0.60%)で4カ月連続、千葉県が82.49ポイント(同1.84%)で2カ月連続、埼玉県が91.34ポイント(同0.73%)で、13カ月連続上昇している。
不動研住宅価格指数は、2000年1月の首都圏既存マンションの価格を100として、同一物件の価格変化に基づいて算出した指数。東京証券取引所の「東証住宅価格指数」を引き継いで2015年1月から公表している。
また、同社が公表した第18回「国際不動産価格賃料指数」(4月現在)では、国内外の14都市(東京、大阪、ソウル、北京、上海、香港、台北、シンガポール、クアラルンプール、バンコク、ジャカルタ、ホーチミン、ニューヨーク、ロンドン)で、マンション価格指数の対前回変動率が最も高かったのは「ニューヨーク」の5.5%増、次いで「台北」4.0%増だった。
「ニューヨーク」では、オフィス出勤再開によって都心部に居住環境を求める実需層が拡大。市況回復に加え、金利先高感を背景にマンション価格の上昇ペースが加速した。「台北」では、インフレ傾向や建築コストの上昇懸念等がマンション価格の上昇につながった。「ソウル」では金利の引き上げや大統領選挙に対する様子見姿勢が広がり、1.3%増と価格上昇幅が鈍化した。
「上海」では、2021年後半以降の住宅価格抑制策により価格上昇ペースが低下。「香港」は、米国の金融緩和縮小による金利上昇と新型コロナの感染拡大の影響でマイナスに陥った。「ホーチミン」では価格上昇が続いているものの、高額物件を中心に頭打ち感が見られ変動率のプラス幅が縮小した。
高級住宅(ハイエンドクラス)の価格水準比較では、東京・元麻布地区のマンション価格(1戸の専有面積あたりの分譲単価)を100とした場合、香港が218.2、ロンドンが181.3、台北が147.8、上海が144.3となった。
同調査では、価格時点(各年4月1日、10月1日)において、対象物件の新築・新規契約を前提とした1m2あたりの価格を評価、指数化している。
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