住宅業界を直撃したウッドショック。樹種によっては「(価格高騰は)潮目を迎えつつある」との声も聞かれるが、今後、市場はどのような動きを見せ、工務店の経営や家づくりにどのような影響を及ぼすのか―。木材業界専門ライターの向井千勝さんによる調査・分析を、今号から5回の集中連載により紹介する。
輸入関係の円安ドル高、接着剤等石油由来製品をはじめとした価格高騰など不確定要因は少なくないが、木材製品についてはこれ以上値上げが続くようだと建築材需要を蹴散らす恐れが強まっている。
ウッドショックの引き金となった米国製材市況は、急激な住宅ローン金利の上昇により、製材価格が急落。日本と同様、木材製品をはじめとした建築資材コスト高が新設住宅需要に水を差している。先進国市場に共通した変化と言える。
2022年5月下旬、米国製材市況の指標品目の一つであるカナダ産SPF2×4製材が急反落した。2020年以降、2度目の大反落だ。先行してシカゴ商品先物市場でも暴落が始まっており、実取引市場もこれに連動したといえる。
カナダ産SPF製材は潮目
昨年春から始まった日本国内での内外産木材価格高騰で、日本市場に対し最初に直接的な影響を及ぼしたのは米国製材市況の急騰だ。新型コロナ禍での世界的なサプライチェーンの混乱が相乗し、米国市場は誰も経験のない木材価格高騰に直面した。ここにきてロシアによるウクライナ侵攻が世界の木材需給の混乱を一層助長させて現在に至っている。
米国製材市況については、品目間で温度差はあるものの、カナダ産SPF製材については明らかに潮目を迎えたとの見方が支配的になっている。ここでは米国製材市況の反落が日本市場に今後、どのように影響してくるのか予想するが・・・・
この記事は最新号『新建ハウジング紙面 6月20日号 8・9面/【連載】木材刻々 ウッドショックの行方 vol.1』に掲載しています。
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