地域で最も入ってもらいやすいハードルの低いモデルハウスで自社の魅力を発信したい—。千葉県内で平屋に限定した街並み形成型の分譲開発などを展開する拓匠開発(千葉市)では、自社が手掛ける分譲地の隣り合う2区画で運営する平屋のモデルハウスとパン屋がシナジーを発揮し、集客効果を上げている。モデルハウスをパン屋のイートスペースとして活用しており、隣の店舗で購入したパンを食べながら、同社がつくる住宅の雰囲気や平屋の魅力を体感できるようになっている。
同社が千葉市花見川区さつきが丘の分譲地「アラ・ラさつきが丘」(約5183.28m2・29区画)の1区画を利用して自社運営するパン屋「Tiny Bakery トイット さつき店」は昨年4月開店。オープン後、同社には、平屋に関する内容を中心に問い合わせが約100件に達した月もあったという。
同社執行役員の湯浅里実さんは「家づくりの初期の検討客が展示場に足を運びモデルハウスを見学するまでの行為はハードルが高いが、平屋を見てみたいという潜在ニーズは大きい」と説明、「気軽にパン屋を訪れ、隣のモデルハウスでパンを食べながら、住空間の世界観や快適性を体感してもらうようにすることで、ハードルを下げることにつながる」と話す。また、「パン屋を訪れたことがきっかけで、当社の住宅に興味を持ってくれる人もいる」とする。
同社によると、店名の「トイット」はフランス語で屋根を意味するtoi(トワ)から発想した造語で「同じ屋根の下で地域住民が集う場になってほしい」という思いを込めたという。
トイットで販売するパンは、国産や野田市、流山市といった地域産の原材料にこだわっているのが特徴。パン屋のイートスペースとして活用している平屋のモデルハウスは、木造で延べ床面積98.33m2の規模。モデルハウスの中のLDKやキッチンをイートスペースなどとして開放しながら、ガラス越しに洋室を見ることもできる。
湯浅さんは・・・・
この記事は最新号『新建ハウジング紙面 6月20日号 20面』に掲載しています。
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