ウッドショックや資材価格高騰の影響が、集客にも及んでいる。吉永建設(兵庫県川西市)は昨年7月、重要な集客チャネルだったモデルハウスの建設を中止。代わりに、12月から今年2月にかけ、成約済みの分譲地5区画を、1~2カ月の期間限定で展示場として運用。契約後の値上がり分を協力費として負担し、自社と顧客、双方の経済的負担を軽減した。
同社は昨年1月、平屋5区画の分譲地を売り出した。平屋に関心が集まっていることを踏まえた企画だったが、全区画、造成工事が終わる前に成約したという。
しかしその後、ウッドショックによって、木材が大幅に値上がり。同年8月ごろから着工時の工事金額が契約時の見積もりを上回るようになった。1棟あたりの原価は、ピーク時で120~130万円ほど上昇したという。同分譲地でも、1棟あたり150~200万円は増額となる見通しだった。
自社・顧客・見込み客全員にメリットある手法
普段の集客もウッドショックの影響を強く受けた。それまで売却前提のモデルハウスを常時4~5棟は設けていたが、建設費の上昇が正確に見通せないとして、モデルハウスの新規建設を中止した。
ただ、やはり見せられる“実物”は欲しい。「住宅は匂いや触感も重要。リアルに勝るものはない」と考える社長の正門元気さんは、建設費の負担増を回避しつつ見学拠点を設けるため、引き渡し前の住宅を、一時的にモデルハウスとして公開することを思いついた。・・・・・
この記事は、新建ハウジング6月20日号に掲載しています。続きは新建ハウジング読者限定サービスでご覧ください。
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