国土交通省は6月21日、2022年版の国土交通白書を公表した。今回は「気候変動とわたしたちの暮らし」を特集テーマに、2050年カーボンニュートラルの実現を目指した、国土交通分野における「暮らしの脱炭素化」に向けた取り組みなどを紹介し、「地域の脱炭素化と生活の質の向上等を両立した『気候変動時代のわたしたちの暮らし』」を展望。脱炭素型のライフスタイルの取り組みに関する国民意識調査では、〝エコ住宅〟や〝再エネ〟に取り組めない理由として「お金がかかるから」が最も多く、さらなる助成制度の実施や、ライフスタイル全体を通してコスト低減できることの周知などの課題が浮き彫りになった。
意識調査は今年2月に全国に居住する18歳以上の成人1229人を対象にインターネットで実施した。
脱炭素型ライフスタイルのための取り組みのうち、エコ住宅(ゼロエネルギー住宅やライフサイクルカーボンマイナス住宅への住み替え、断熱改修、窓の断熱)に関しては、「取り組んでいる」が7%、「取り組んだことがある」が12%に止まる。
一方、「取り組んだことはないが今後取り組む予定」が20%、「取り組みたいものの具体的な予定はない」は24%にのぼり、関心は高いものの着手できていない現状が伺えた。
このエコ住宅の取り組みについて、取り組めない・取り組みたいと思わない理由としては、「お金がかかるから」が最も多く26%を占めた。脱炭素型ライフスタイルを取り入れるために、必要なサポートの内容については、「価格が安いこと」53%、「生活の不便さを伴わないこと」43%、「二酸化炭素削減以外の付加価値があること(快適、健康、安全・安心など)」37%となっており、助成制度の継続・拡充が求められる。
また、この間、国交省や住宅関連の機関・団体では、住宅の省エネ化・高断熱化が、ヒートショックや熱中症の予防だけでなく、さまざまな健康問題に直結すること等を訴えてきたが、国民一般には浸透していない現状が浮き彫りになったともいえる。住宅の高性能化によるメリットのさらなる発信・周知が求められる。
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