YKK AP(東京都千代田区)は6月21日、次世代に向けた商品開発を見据え、全国の15歳~69歳の男女2090人を対象に実施した「住まいに関する意識調査」の結果を発表した。新型コロナの影響で約8割の人が「生活が変化した」とするなか、これから社会の中心となっていく15~24歳の「Z世代」に注目して結果を分析した。今後の住宅購入予定を聞いたところ、Z世代では約6割が「購入・所有したい」と回答。そのうち「新築・戸建住宅」を希望している人は42.6%、「新築・マンション」が26.8%と、Z世代の購入意向者の69.4%が「新築」を希望していることがわかった。ほかの世代と同様、若い世代においても新築住宅への憧れが強いことがうかがえる。
どんな暮らしがしたいかという質問には、Z世代の36.3%が「ライフステージに応じて住む土地を変える暮らし」を希望しており、大人世代より14.7ポイント多かった。大人世代は「できるだけ長く同じ土地に住み続ける暮らし」を希望する人が62.9%で、Z世代との差は21.3ポイントだった。住宅についても同様の傾向がみられ、若い世代ほどライフステージに応じて土地・住まいを変えるフレキシブルな住まい方に関心が高いことがわかる。
理想の住まいに求めるのは、全世代で「落ち着いた穏やかな気持ちで過ごせる空間」(57.8%)が最も多く、「心身の調子を整え、健康を維持できる空間」(46.4%)が続いた。Z世代でみると、「落ち着いた穏やかな気持ちで過ごせる空間」は大人世代よりも20.8ポイントマイナス、「友人や来客を迎え、コミュニケーションを楽しめる空間」は7.2ポイントプラスとなった。大人世代が住まいに落ち着いて寛ぐための空間を求めるのに対し、Z世代は住まいをよりアクティブに楽しめる空間ととらえる傾向が高くなっている。また、「仕事や勉強に効率的に取り組める空間」が大人世代より11ポイント多く、コロナ禍で自宅が「働く場・学ぶ場」になっていることがわかる。インテリアについては、自分好みの家具の組み合わせやシンプルな空間など、自分らしさが表現できる空間を求める傾向にある。
「どんな暮らしがしたいか」という質問に対し、「多少お金がかかっても地球にやさしい暮らし」を選ぶ割合は、世代間で顕著な差はみられなかった。Z世代は一般的に環境・社会問題に関心が高いと言われるが、プライベートな住まいでは「自分にとっての暮らしやすさを重視」することがわかる。一方、Z世代は、商品を購入する際「製造・販売する企業の、SDGsなどの環境・社会問題に取り組み姿勢を重視する」が48.5%、「多少高くても、社会貢献や環境配慮につながる商品を選ぶ」が42.1%、「モノはできるだけ自分で所有せず、シェア・レンタルなどを利用する」が37.5%と、他の世代よりも環境配慮・社会問題への意識が高く、同社は今後住まいへの意識にも反映されていくと予想している。
回答者は、「Z世代」15歳~24歳が421人、「ミレニアル世代」25歳~39歳が629人、「大人世代」40歳~69歳が1040人。
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