耐震等級3が当たり前の要求となり、快適性や寛ぎ感、「家事楽」など設計上の要求も増えた。耐震とプランを高い水準で整合させるには、耐震部材や工法の知識が不可欠。
設計・施工時の強い味方となる部材や工法の動向をまとめた。
※地盤編 ※基礎編 ※耐力面材編 ※耐力壁編
耐震フレーム① 壁量を確保しつつ大開口を実現
◉在来構法では水平力を耐力壁により負担する。耐震フレームは耐力壁の代わりに門型などのフレームを配置して水平力を負担する工法だ
◉耐震フレームは木質ラーメン構法と混合しやすいが別物だ。木質ラーメン構法は軸組のみで水平力と鉛直力の双方を負担して構造を成立させる。そのため大断面の柱や梁、基礎を強固な金物でつなぐ必要がある
➡部材断面は応力やスパンにより変わり、基礎は特殊な形状となる。また、設計に際しては複雑な構造計算が必要
◉耐震フレームは在来構法に部分的に組み込む。部材断面は一定で特殊な基礎は不要。あくまで水平力のみを負担するので鉛直力を受ける柱・梁が別途必要。筋交いや耐力面材と併用する
◉耐震フレームを開口部に挿入することで、壁量を確保しつつ大開口を設けることが可能。同様に室内に設けることで開放性を確保しながら、偏心率を是正することも可能になる
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