国土交通省は6月16日、2021年度の長期優良住宅の全国の認定状況を公表した。新築戸建ての認定実績は11万9289戸で前年度より1万7786戸増加した。新設住宅着工戸数に占める割合は微増傾向にあるものの、前年度比2.2ポイント増の27.7%に止まり、3割には届いていない。
新築の共同住宅等の認定実績は3213戸。また、増築・改築の認定実績は戸建が233戸、共同住宅等が2戸だった。これまでの認定の累計は、新築の戸建てが133万333戸、共同住宅等が2万5986戸。増築・改築は戸建てが1404戸、共同住宅等が49戸となっている。
2021年度の認定を都道府県別で見ると、新築戸建ての認定は愛知県が最も多く1万4737戸。次いで東京都7398戸、神奈川県6845戸、静岡県6820戸、埼玉県6674戸、千葉県6329戸と続く。新築の共同住宅等は東京都2667戸、北海道88戸、大阪府79戸の順だった。
一方、増築・改築の認定実績は、戸建ては北海道が94戸で最も多く、新潟県30戸、福岡県18戸と続く。共同住宅等は新潟県と静岡県でそれぞれ1戸認定している。
長期優良住宅の壁量基準の見直しを検討
なお、長期優良住宅の現行の壁量基準は「耐震等級2又は3」だが、近年の省エネ性能向上の流れに伴い木造建築物が重量化していることから、「長期優良住宅認定基準の見直しに関する検討会」で、壁量基準の見直しも進めている。見直し案は、概ね長期優良住宅の求める性能を有する「耐震等級3」とし、太陽光発電パネル等を載せた場合は、仕様に関わらず「重い屋根の壁量基準を満たすもの」としている。
国交省は近く壁量基準の見直しに関するパブリックコメントを実施し、8月頃に省令・告示を公布。10月1日から壁量基準の見直しを含む新たな長期優良住宅の認定基準を施行する予定だ。
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