野村総合研究所(東京都千代田区)は6月9日、「2022~2040年度の新設住宅着工戸数」、「2021~2040年のリフォーム市場規模」、「2019~2040 年の既存住宅流通量」の推計・予測結果を公表。2040年には新設住宅着工戸数が49万戸まで減少する一方、既存住宅流通量は20万戸に増加する見通しを示した。
野村総研は、既存住宅流通量やリフォーム市場規模は「増加の見通し」としつつも、現状の延長線上では、「増加幅は新設住宅着工戸数の減少分を補うほどの規模とはならない」と指摘。「非住宅への転用促進など新たな観点も取り入れた創意工夫が必要」とした。
また、中長期的な動向に基づく着工戸数は2022年度は84万戸、2023年度は87万戸と見込まれるとしたが、「ウクライナ侵攻や新型コロナの感染拡大等による供給制約が、昨年度のウッドショックと同程度の影響を及ぼした場合」には、2022年度は80万戸、2023年度は79万戸まで減少すると予測した。
リフォーム市場規模は微増
「2022~2040年度の新設住宅着工戸数」について、2030年度は利用関係別に見ると、持家25万戸、分譲住宅17万戸、貸家(給与住宅を含む)28万戸といずれも漸減して70万戸になる見込み。2040年度には49万戸に減少するとした。
「2021~2040年のリフォーム市場規模」に関しては、狭義(「住宅着工統計で『新設住宅』に計上される増築・改築工事」と「設備等の修繕維持費」)と、広義(狭義のリフォーム市場規模に「エアコン・家具等のリフォームに関連する耐久消費財、インテリア商品等の購入費を含めた金額」を加えたもの)のリフォーム市場規模について試算。
広義のリフォーム市場規模は、2040年まで年間7~8兆円台で微増ないし、横ばい傾向が続くと予測。狭義の市場は、それより1兆円前後少ない規模と見込んだ。
「2019~2040年の既存住宅流通量」は、2002~2021年の各年の住宅購入者(全国25~69歳の男女3561人)を対象に野村総研が実施したアンケート調査や各種統計をもとに推計した。
調査では、住宅を購入したすべての世帯のうち既存住宅を購入した世帯の割合は、1994年の13%から2018年には22%と上昇していた。この上昇傾向が継続すると仮定した場合、既存住宅流通量は2018年の16万戸から2030年には19万戸、2040年には20万戸と増加すると見込まれるとした。
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