政府は6月10日、2022年版の「土地白書」と「首都圏白書」を閣議決定した。土地白書では、所有者不明土地対策の取り組み状況等を掲載。首都圏白書は、脱炭素社会の実現に向けた取り組みをテーマに、「まちづくりや土地利用による脱炭素化」などの動きを紹介した。
今回の土地白書では、2021年度の不動産市場について、地価公示の全用途の全国平均が2年ぶりに上昇に転じ、Jリート市場の時価総額が過去最高を記録するなど、「回復の兆しが見えている」などとした。
特集した所有者不明土地対策に関しては、2018年の所有者不明土地法の制定以降の制度改正等を解説。2021年には所有者不明土地の発生予防・利用の円滑化を目的として、民事基本法制の総合的な見直しが行われたほか、今年4月27日に所有者不明土地法の一部改正が行われ、「人口減少・少子高齢化が進む中、所有者不明土地という新たな課題に対し、できる対策を着実に進めている」とした。さらに、「土地政策に関連する分野においても、デジタルを前提とした新たな国土計画の検討や、デジタル技術を活用した土地利用の円滑化のための取組の検討が進められている」などとした。
首都圏白書では、車通勤の減少によるCO2削減量の試算など「テレワーク拡大を活かした環境負荷低減」、日本橋室町地区におけるエネルギー供給事業など「エネルギーの面的利用の高度化」に関して取り上げ、脱炭素に資する首都圏の取り組み等について整理・分析し、対応する事例を報告。
「まちづくりや土地利用による脱炭素化」の項目では、▽都市のコンパクト化による脱炭素まちづくり、▽モビリティやオープンスペースを活用した再生可能エネルギーの地産地消、▽緑地の創出によるヒートアイランド対策やCO2吸収源の確保――などの取り組みを事例とともに紹介している。
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