木のいえ一番協会(東京都渋谷区)はこのほど開催した通常総会で、今年度の主な事業活動として、新たに省エネ基準に対応したログ材の開発を行うと発表した。このほか、昨年から取り組んでいる薪ストーブの省エネ機器認定や、CLTログハウスの普及・啓発、情報発信などにも引き続き注力していく。
今年度新たに、規格化された北海道産材大断面集成材を活用した省エネ1、2地域に対応した寒冷地用の集成ログ壁材の開発事業に着手する。林野庁の「CLT等木質建築部材技術開発・普及事業」にも採択された。北海道などの寒冷地ではログ壁の厚さが25cm程度求められるといい、北海道産のトドマツ・カラマツの集成材を利用してログハウス用の丸太壁が作れるか、性能試験を行いながら、開発を進めるという。今後、7月5日の第一回技術開発委員会で詳細を検討していく。
薪ストーブの省エネ機器認定については、日本暖炉ストーブ協会や研究者らと薪ストーブのJIS化を視野に検討を進めている。低層の住宅や非住宅のCLTログの建築は今年度も積極的に進めていく。昨年は、国産のヒノキCLT材を内外のあらわしに使用したログハウスを会員企業のフェニックスホームとアールシーコアが建設した。今年もすでに新たに設計作業や建設工事が進んでいる。今年は昨年コロナ禍で実施できなかった見学会も予定しており、一層の普及に力を入れる。
2018年に山梨県内にCLT低層建築の実験棟として建設した「CLT HUT」の耐久性調査も行う。再塗装をすることで協会が公表している「再塗装時の重ね塗りにより塗布量が増えて塗膜が長持ちする」ことを証明するとした。
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