パテント・リザルトは6月13日、ハウスメーカー業界の特許を対象に、2021年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「ハウスメーカー業界 他社牽制力ランキング2021」を発表した。2021年に引用された特許数が多かった企業は、1位ミサワホーム(228件)、2位積水ハウス(180件)、3位大和ハウス工業(167件)だった。
1位のミサワホームの最も引用された特許は「降雨量が少なくても軒樋内の雨水を吸い出すことができるサイフォン式雨樋装置」に関する技術で、積水化学工業などの計3件の審査過程で引用された。このほか「浴室ドア等に使用される換気装置付きドア」に関する技術が、TOTOの計3件の拒絶理由として引用された。同社特許の影響を受けた件数が多い企業は、トヨタホーム(18件)、積水化学工業(17件)、大和ハウス工業(12件)だった。
2位積水ハウスの最も引用された特許は「滑りを向上させて、長尺体の移動に伴う発泡性材料の脱落を防止することが可能な耐火部材」に関する技術で、未来工業と積水化学工業の計3件の審査過程で引用された。このほか「化粧プレートや操作用ハンドルなどといった外部に露出する部材に、従来には無い新たな機能を付与し、利用用途の幅を拡大する方法」に関する技術が、パナソニックIPマネジメントとアマノの計3件の拒絶理由として引用された。同社特許による影響を受けた企業は、旭化成ホームズ(14件)、大和ハウス工業(11件)、トヨタホーム(9件)だった。
3位大和ハウス工業の最も引用された特許は「利便性の高い宅配ボックス」に関する技術で、トヨタ自動車などの計5件の審査過程で拒絶理由として引用された。同社特許による影響を受けた企業は、竹中工務店(8件)、パナソニック、旭化成ホームズ(いずれも7件)となっている。
同ランキングは、2021年12月までに公開されたすべての特許のうち、2021年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出したもの。これにより、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになるとする。
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