政府は6月7日、エネルギーの需給に関して講じた施策の概況等をまとめた2021年度「エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)」を閣議決定した。今回は、「福島復興の進捗」や「カーボンニュートラル実現に向けた課題と対応」のほか、新型コロナウイルス感染症や世界的なエネルギー価格の高騰、ロシアのウクライナ侵略など「エネルギーを巡る不確実性への対応」についてもまとめた。
例えば家庭部門の電力消費動向に関して、スマートメーターから取得した30分ごとの電力消費量のデータを基に分析。スマートメーターが普及している東京電力管内の住宅エリア(夜間人口が多い都市)の低圧電力(家庭や商店で使用)は、2020・2021年は2019年に比べて主に朝6時頃から夜21時頃にかけて電力需要が増加した。2020年以降に人々が外出を自粛するようになった影響が出ているとみられ、テレワークの浸透で朝の電力需要もピークが1時間程度後ろ倒しになっている(下グラフ)。
また、2020年発令の最初の緊急事態宣言前後を比較すると、発令後は特に朝6時頃から夜21時頃にかけての電力需要の増加が顕著。外出自粛の影響が強く出ていることが推察される。
一方、工場や商業施設で使用される高圧電力の住宅エリアの動向を見ると、2020・2021年は2019年に比べて「昼間から特に夜間にかけて電力需要が落ち込んでいる傾向」が見られた。飲食店等の時短営業や営業自粛の影響と考えられる。最初の緊急事態宣言前後を比較すると、発令後の電力需要の減少が顕著に出ており、外出自粛や飲食店等の時短営業・営業自粛の影響が強く出ていることが推察される。
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