三洋化成工業(京都市)はこのほど、ティエムファクトリ(東京都港区)が保有する透明断熱材「SUFA(スーファ:Super Functional Air)」の技術のうち、太陽光集熱パネル事業に関する独占的実施権契約を締結したと発表した。
「SUFA」は、ティエムファクトリと京都大学が開発した板状のエアロゲルで、高い断熱性能と超軽量で高い透明度がある。従来、エアロゲルの作製には、高額な超臨界乾燥装置が必要だったが、ティエムファクトリ独自の技術により特殊装置を使用することなく高透明度で大判のエアロゲル「SUFA」が作製可能となった。
透明な平版状で太陽光を通す「SUFA」を用いた太陽光集熱パネル「SUFAパネル」は、集熱面積が大きいうえに放熱しにくいため、100°C以下の低温域から200°Cまでの高温域まで効率よく集熱できる。蓄えられた熱は、給湯、産業施設やビニールハウスなどの温調、工業プロセスの加熱など、さまざまな用途への活用が考えられるという。今後、有効に太陽熱を利用するシステムを提供していく。
同社は、「SUFA」と同社の界面制御技術や製造技術などを融合し、「SUFAパネル」による高効率太陽光集熱システム事業を推進。また、新たな集熱システム開発を通して、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献していくとしている。
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