無垢材による家づくりを、乾燥から製材・プレカット加工まで自社工場で一貫生産するボランタリーチェーン(VC)として全国展開する夢ハウス(綿半グループ、本部・新潟県聖籠町)が、ウッドショックに見舞われる市場でも実績を伸ばしている。それまで全国の加盟工務店400社と直営店により、370棟前後で推移していた構造材の加工数が、ウッドショックが顕在化した2021年に400棟余まで増えた。プレカット材の出荷ベース(年間)でも2021年は前年に比べて約1割増の1万4000坪となり、さらに2022年は年間1万5000坪を生産・供給する見込みだ。
同社では柱として国産のスギ・ヒノキ、横架材・土台として北米からベイマツ、ベイヒバの製材品を調達している。ウッドショックのさなかでも、特に北米から安定的に材料を入手できた理由について、乾燥、製材・加工を手がける綿半林業(聖籠町)社長の大谷健一さんは「当社は乾燥から自社工場で行うため、KD材ではなくグリーン材を仕入れているが、もともとグリーン材はKD材に比べてシェアが小さくウッドショックの影響も限定的だった。自前で一貫生産していたことが思わぬところで強さを発揮した」と説明する。
独自技術により乾燥構造材から板材まで
同社では国産材、北米材のいずれもオーバーサイズの平角で調達し、それを独自技術を用いた乾燥機によっていったん含水率10%以下まで乾燥。その後、養生、製材・加工を経て、最終的には厳格な品質管理による同15%以下の製品として出荷する。また、構造材だけでなく、ロシア産アカマツ材の床板、壁板、羽目板といった板材、さらに羽柄材や造作材、家具材なども自社工場で一貫生産。夢ハウスの規格商品の躯体に使用するパネルの生産も行っている。
夢ハウス本部(綿半工務)で企画開発部門を統括する小川和彦さんは「(ウッドショックのなかで)若干の値上げはやむを得なかったが、それでも・・・・・
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