アイカ工業(名古屋市)は6月6日、植物由来の未活用資源(バイオマス)「リグニン」を活用した、合板とLVL(Laminated Veneer Lumber、単板積層材)向けの接着剤「合板・LVL 用バイオフェノール」を開発し、実用化に成功したと発表した。
同接着剤は、非可食性バイオマス原料「リグニン」とフェノール樹脂を組み合わせた「リグニンフェノール樹脂」を使用。従来のフェノール樹脂接着剤は原料がすべて化石燃料由来であるのに対し、今回開発した「合板・LVL用バイオフェノール」は植物由来のバイオマス原料を15%含んでいる。性能・作業性は従来品と同等で、耐水性・耐候性に優れているのが特長。ホルマリン臭気が少なく、作業環境の向上にも寄与するとしている。日本有機資源協会の「バイオマスマーク(バイオマス度15%)」認定を取得済み。
針葉樹合板の生産には年間10万7000tの接着剤を使用しているとされ、その一部をバイオマス原料に置き換えることで、枯渇性資源の使用削減が可能とする。なお、バイオマス原料が廃棄燃焼する際に排出するCO2は、成長過程で大気中から吸収したものであることから、カーボンニュートラルな資源とみなされる。同社は、合板やLVLのメーカーに提案し、サステナブルなものづくりに貢献していくとしている。年間販売目標は1億円。
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