東リ(兵庫県伊丹市)が進める使用済みタイルカーペットの水平リサイクルにおいて、廃材の回収から再生利用までの全工程を東リグループ内で完結する体制が整った。オフィスで排出された使用済みタイルカーペットを同社が回収し、グループ工場で産業廃棄物を出さずにすべて水平リサイクルする。
一般的に、タイルカーペット廃材はパイル層(表面繊維層)とバッキング層(塩ビ樹脂層)を分離し、バッキング層のみをリサイクルするが、同社の独自技術により分離することなく全層をタイルカーペット材料として利用可能とした。グループ工場でタイルカーペット廃材をリサイクルチップに加工し、タイルカーペットのバッキングの一部として再生利用するため、産業廃棄物を出さないという。
使用済みタイルカーペットの回収時と新規タイルカーペット施工時に発生する「端材」についても、タイルカーペット材料としてリサイクルすることができる。同社は、使用済みタイルカーペットおよび工場内廃材のリサイクルを拡大し、サステナブルな社会の実現に貢献するとしている。
同社は、2000年から「東リ エコスピリット」に基づいて自社製品のリサイクルを開始して以来、タイルカーペット・リサイクル技術の進化に取り組んできた。2012年にタイルカーペットにおける広域認定制度の認定を受け、カーペットメーカーとして唯一、使用済みタイルカーペットの回収・リサイクルを行っている。2021年にはカーペットの主力生産拠点である滋賀東リにて「タイルカーペットリサイクルプラント」を本格稼働させ、タイルカーペット廃材の全層をタイルカーペット材料としてリサイクルできる独自技術を確立した。
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