公共事業や社寺建築を得意としてきた水川建設(岐阜県美濃加茂市)は、新型コロナなどの影響による施設建築の市場縮小を受け、主力事業を住宅に転換する。真冬と真夏の温度差が大きい地域の厳しい気象条件を逆手にとり、そうした環境でも健康・快適かつ省エネ(経済的)に暮らすことができる高性能住宅を武器に、実績を伸ばしていきたい考えだ。そのために同社は、シードック(高山市)が展開する北海道レベルの断熱・気密性能を備える「北快の家」を導入。4月には各務原市内に、その快適性を体感できるモデルハウスをオープンした。
長年にわたり磨いてきた技術力を生かし、地域のニーズに応え、地域の人たちの暮らしを支える住宅を提供することで、安定的な経営基盤の構築を目指す。主力事業を施設建築から住宅へとシフトするうえで、昨年1年間をかけて入念にマーケティングを実施。水川建設の営業部長の藤本幸治さんは「これまでも社寺建築で培った技術を生かして、大ぶりの和風住宅などを手がけてきたが、断熱・気密、省エネなどにはそこまでこだわっていなかった。しかし、地域の人たちの住まいに対するニーズを探ると、夏でも冬でも快適に過ごしたいという思いが強く、同時に住宅の性能に対する知識も以前に比べて高まっている状況が分かった」とする。そこで同社は、「地域でも頭ひとつ抜け出るような」高性能住宅で勝負する方針を固めた。
G2超のUA値0.28、C値0.2
各務原市内の分譲地の1区画(敷地面積58坪)にオープンした北快の家モデルハウスは、木造2階建てで約37坪で、耐震等級3相当。UA値(省エネ基準の6地域)はHEAT20・G2を上回りG3に近い0.28W/m2Kで、C値は0.2cm2という性能だ。断熱は、壁がフェノバボード63mm厚の外張りで、屋根がアイシネン(発泡ウレタン)280mm厚の吹き付け、基礎ははスタイロフォームを立ち上がりの外側に50mm厚、土間下に75mm厚で施工した。から屋(北海道札幌市)が展開する第二種換気とパッシブ換気が切り替わる「エコブレスハイブリッド換気」を活用したダクトレスの全館空調システムを採用しており・・・・
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