横浜市はこのほど、「市内中小企業向け脱炭素ガイドライン」を作成した。市内中小企業に「脱炭素の取り組みとはなにか」を知ってもらい、脱炭素経営の“第一歩”を踏み出すきっかけを提供することが目的。内容は、どの業種にも共通する取り組みを紹介した後、業種別に特徴や取り組み例を掲載している。
業種共通の取り組みとしては、まず「自社のエネルギー使用量からCO2排出量を把握」する。領収書や検針票でエネルギー使用量を確認するとともに、行政などが提供しているサービス等で効果的・効率的な省エネ方法を把握する。
その上で、▽空調の温度調整や休み時間の消灯などの「省エネ活動の促進」、▽高効率空調・給湯への切り替えなどの「省エネ設備の導入、設備の運用改善」、▽再生可能エネルギーへの切り替え、▽次世代自動車の導入やエコドライブの推進――などを促した。
業種別の取り組みのうち、「建設・不動産業」に関しては、多様な社会インフラの整備に欠かせない産業である一方で、ライフサイクル全体で資源・エネルギーの消費、CO2の排出、建設廃棄物の排出など、「さまざまな環境負荷が発生する業種」だと指摘。建築物は長期にわたって使用されることから、新築は〝エネルギー消費を減らす設計〟が、既築では〝基礎や躯体を考慮した省エネ対策〟が重要だとした。事業活動場所が施工現場によって随時変わり、車両・重機を使った作業が多いことも特長などとしている。
その上で、取り組み例を紹介。
【設計段階】グリーン調達計画(環境負荷の低い又はエコ認証付きの資機材など)、▽資機材の再利用・再資源化計画の検討、▽CASBEE横浜などの建築環境性能評価に即した設計、▽ZEB、ZEHの検討――など。
【施工段階】重機・車両の適正整備、省燃費運転、アイドリング防止、▽作業所照明の高効率化(LED化等)、こまめな消灯の実施、▽作業所の過剰冷暖房の禁止、▽建設現場における再生可能エネルギーの活用――など。
【改修~解体段階】グリーン改修の診断・計画・実施、▽改修・解体時の省エネ建機の利用や、環境負荷の低い燃料の活用――などとしている。
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