このほど、東京建物(東京都中央区)と鹿島建設(東京都港区)が共同で所有する六本木和幸ビル(東京都港区)にオープンしたワークプレイス「Kant.」。デジタルコネクトプラットフォームのビットキー(東京都中央区)が提供する、ビルの入退室管理、シェアオフィスの運営・管理支援、会員間のコミュニケーション促進などが行えるプラットフォームサービス「workhub(ワークハブ)」の導入で、ビル全体のDX化が実現した。ビットキーと東京建物は、今回のビットキー製品を用いたDXの取り組みを踏まえ、今後の東京建物のビル事業においても協力を検討している。
“すこやかに働く”がテーマの「Kant.」は、1971年竣工の地下1階、地上8階建てのビルをリノベーションした複合施設。カフェ&ミュージックバーラウンジ(1階)、ワークラウンジ(2・3階、有人運営)、シェアオフィス(4・5階)、カスタムオフィス(7階)で構成される。フロアごとにオフィスの用途が異なる場合、従来は運営側がフロアやニーズごとに異なるサービス・スマートフォンアプリを提供してきたが、システムの分断によって管理・運用負荷が高まるのに加え、各オフィスを利用するワーカーの利便性が損なわれていた。
今回、フロアごとに必要なサービスを1つのシステムで提供可能なコネクトプラットフォーム「workhub」を採用するとともに、ビル内の会議室やフォンブース、契約会員向けの個室、エントランスなど、セキュリティが必要なドアにスマートロックbitlock PROを設置。スマートロックなどのハードウェア製品と、シェアオフィス運営・管理を支援する業務システムや利用者向けスマートフォンアプリなどのソフトウェアの両面で、一体的にビル内のDX化を実現した。運営者は複数のシステムにログインや情報を入力することなく各フロアを円滑に運営・利用でき、利用者はスマートフォンだけで会議室の予約からカギの解錠まで完結できるなど、双方が働きやすいオフィスビルとなった。
そのほか、3・4階のエントランスを顔認証対応とし、タブレット端末に顔をかざすだけでカギ解錠が可能としたことで、入館用カードの発行や回収などの手間を軽減。会議室やフォンブースの予約状況の見える化や、カフェ・ミュージックバーラウンジの混雑状況の可視化、利用者の位置情報シェアなども実現している。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。