国土交通省は5月16日、建築基準法で規定する「歩廊の柱その他これに類するものを指定する告示案」について、パブリックコメントの募集を開始した。告示案は、特定街区の既存建築物に関して、新たな柱や壁が都市計画法上設置できないため耐震改修が困難な場合に、当該柱や壁を指定して制限の対象外にするもの。パブコメの締め切りは6月14日。公布・告示は6月下旬の予定。
建築基準法第60条第2項では、都市計画法第8条第1項第4号に規定する特定街区内の建築物の壁や柱は、都市計画に「定められた壁面の位置」の制限に反して建築してはならないとされている。だが、一部の特定街区では、「定められた壁面の位置」に壁面が設けられている建築物があり、その建築物の外側に新たに柱や壁を設けて耐震改修を行うことが困難となっている。
そのため、耐震改修のための柱や壁を、建築基準法第60条第2項の制限の対象外となっている「歩廊の柱その他これに類するもの」として指定。市街地環境を確保しつつ、更なる建築物の耐震化を図ることとするとしている。
指定できる柱等は、①平成5年建設省告示第1437号第1号から第4号までに規定する構造の歩廊の柱、②建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成7年法律第123号)第17条第3項の規定で、所管行政庁の認定を受けた建築物の耐震改修の計画に基づき設ける建築物の壁又はこれに代わる柱で、特定行政庁の規則で定める基準に適合しているもの――となっている。
②の「特定行政庁の規則で定める基準」は、▽壁又はこれに代わる柱が、特定街区に関する都市計画で定められた壁面の位置の制限に反するが、地震に対する安全性の向上を図るためにやむを得ないものであること、▽壁又はこれに代わる柱を設けた当該認定に係る建築物が、市街地の環境を害するおそれのないものであること――としている。
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