竹中工務店(大阪市)は、新光硝子工業(富山県砺波市)と共同で、光を通し断熱性の高い半透明のエアロゲル素材を窓部分に適用することで、空調・照明エネルギーを削減する、エアロゲルガラスパネルを開発した(特許出願済み)。
このほど、竹中工務店の北海道地区FMセンターに初適用し、ブラインド付き高性能ガラスを採用した場合のオフィスゾーンと比較して10~20%のエネルギー削減を確認したという。また、半透明の同パネルは、日中には柔らかな光を取り込み夜間は室内照明の光が外にもれ出す効果を利用した意匠を実現する。
エアロゲルは透光性と優れた断熱性を持つ非常に軽量な素材。国外でも窓への利用例がみられるが、空気の膨張によるゲル層の沈降などが起こるため、長期に渡って性能を維持することが困難だった。今回開発したエアロゲルガラスパネルは、ガラス内部の空気圧を一定にすることでゲル層の沈降を防止し、長期に面状のエアロゲル層を維持することを可能としている。さらに、エアロゲルの表面に白色粒子を付着させ、その量を変えることで透光性にバリエーションをもたせた。
今後は、2023年までに、従来の既製品サッシに設置できる厚みのガラスパネルを開発する予定。同パネルは、通常のガラスと同様の方法で取り付けられることから、パネルの厚さを一般流通材と合わせることで、市場への訴求を目指す。
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