LIXIL(東京都江東区)は4月28日に、2022年3月期第4四半期通期(2021年4月―2022年3月)の決算を発表した。連結売上収益は、第4四半期は国内の一部事業での部品調達難や物流のひっ迫の影響により減速したが、欧米のLIXIL Water Technology (LWT)事業が引き続き好調だったことから、通期では前年比4%増の1兆4286億円となった。国内事業の売上収益は、2021年3月期の事業売却の影響で前年比2%減の9962億円となったが、売却の影響を除くと1%の増収となった。
事業利益は第4四半期は原材料価格の上昇激化と商品の安定供給のためのコスト増で減益となったが、通期では欧米地域の売上伸長や価格転嫁、販管費の削減努力、過年度の構造改革の効果で、前年比76億円増の649億円となった。売上総利益率は34.1%、事業利益率は0.4pt増の4.5%に改善した。
2023年期通期業績予想は、売上収益1兆5200億円、事業利益は810億円、事業利益率5.3%を見込む。
LWTの国内市場は、一部事業で機器・部品の調達難の影響を受けたが、中高級品価格帯商品とリフォームの需要が堅調で前年比2%増収。衛生への関心の高まりをうけ、タッチレス水栓を搭載した商品の売上が好調だった。事業利益は、資材等の価格上昇に対し、価格を適正化し販管費を削減したことで、前年比7%増。国内事業の事業利益率は8%だった。
住宅建材事業のLIXIL Housing Technology(LHT)の国内市場の売上は、ニューノーマルへの対応と在宅時間が増えたことによるリフォーム需要の増加で、前年の子会社の売却影響を除くと3%増加。リフォーム商材ではTOSTEMブランドのドア「リシェント」の売上が前年比12%増、樹脂内窓「インプラス」は20%増。「スマート宅配ポスト」も引き続き堅調で、前年比44%売上増。一方、事業利益は、第4四半期の原材料価格の上昇激化を従来からの体質強化施策と販管費削減で補いきれず前年比10%減、事業利益率は6%となった。
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