米シンクタンク、ピュー・リサーチ・センター(ワシントンD.C.)はこのほど、米国内におけるカーボンニュートラルの世論調査結果を公表。それによると、アメリカ国民の69%が「2050年までにカーボンニュートラルを実現するための対策を講じること」に賛成していると回答した。
「風力や太陽光等の代替エネルギーの開発を優先すべき」とした回答は69%、「石油・石炭・天然ガスの生産を拡大すべき」とした回答は30%だった。一方で、「化石燃料の使用の完全廃止を段階的に進めるべき」と回答したのは31%、「化石燃料と再生可能エネルギーを合わせて使用すべき」と回答したのは67%で、化石燃料の完全置換に関しては割合が逆転した。
世界的な気候変動が取り沙汰される中、「気候変動の影響を減らすための国際的な取り組みへのアメリカの参加」に対しては、75%が支持した。他の経済大国と比較した場合の相対的な役割の大きさについて問われると、現在の同国の寄与については「他国より小さい」が36%、「他国と同じくらい」が31%、「他国より大きい」が32%と意見が分かれた。
アメリカが今後担うべき役割の大きさについては「他国より小さい」が14%、「他国と同じくらい」が54%、「他国より大きい」が31%と、他国と同程度の役割を望む声が多かった。
再エネへの置換がもたらす影響については、「大気・水質の改善が期待できる」とした回答が63%、「エネルギーセクターにおける雇用機会の創出が期待できる」とした回答が56%だった。エネルギー置換によるデメリットとして、「日用品の値上がり」(40%)、「冷暖房費の増加」(39%)、「電力網の信頼性の低下」(31%)を懸念する声が多かった。
「政府は風力及び太陽光発電を推奨するべき」という回答が72%にまで達した一方で、「既に自宅に太陽光パネルを設置している」とした住宅所有者の割合は8%にとどまった。「太陽光パネルの設置を真剣に検討している」とした住宅所有者の割合は39%だった。2019年の調査と比較すると、「既に自宅に太陽光パネルを設置している」割合は2%増加したが、「太陽光パネルの設置を真剣に検討している」割合は7%減少した。
太陽光パネルを設置する理由としては、割合の大きいものから「公共料金の節約」(92%)、「環境保護」(81%)、「太陽光発電への投資による税額控除」(64%)、「自身と家族の健康のため」(59%)などが挙げられた。
調査は2022年の1月に実施、アメリカの成人10237人が対象となった。
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