J建築システム(札幌市)はこのほど、住宅の断熱性能診断システム「JJJ断熱診断」が3月に日本産業規格(JIS)を取得したと発表した。
これまで中古住宅の断熱性能を測定する基準・手法がなく、売買する場合も劣化状況を目視で判断する程度だったが、今回同システムがJIS取得したことで、売買・改修時の標準の測定方法として建築・不動産業者の利用が増加すると予測。今後の省エネ住宅および中古住宅の更なる品質向上と、低炭素社会の実現に貢献可能なツールだとしている。
「JJJ断熱診断」は東京大学等との共同研究により開発したシステムで、赤外線カメラ・温度センサーを使って室内の暖かさをどれだけ保てるかを測ることが可能。室内外の温度差を10°C以上に維持した上で、測定部位の室内外にそれぞれ温度センサーを、測定部全体が収まる位置に赤外線カメラを設置し、壁などから逃げる熱量を測定する。機器の設置は約60分で、設置後の操作は不要。夕方設置すれば翌日午前中に回収できるため、測定者、居住者の双方に負担が少ない手法となっている。同社は同システムによって、新築・中古住宅の性能が明確となり安心して売買できるほか、既存住宅の改修の際、予算に応じた適正な断熱改修を計画できるとしている。
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