大建工業(大阪市)が5月13日に発表した2022年3月期の連結決算は、同社にとって2年ぶりの増収、3年連続の増益となった。国内の新築住宅やリフォーム向け需要が堅調に推移した上、米国でも木造住宅用の構造材の販売が大きく伸びた。
同社の連結経営成績(累計)は、売上高が2233億7700万円(対前年同期比:12%増)、営業利益173億6100万円(97.8%増)、経常利益は187億2500万円(88.5%増)、親会社に帰属する純利益は78億7200万円(40.1%増)だった。
同社説明によると、日本国内ではコロナ禍による影響は落ち着きを見せたとし、さらに在宅時間の拡大による快適な住環境を求める消費者ニーズが高まったとしている。これにより新築住宅市場やリフォーム市場向けの需要は堅調に推移した。
一方、海外市場においては引き続きコロナウイルス感染症の影響や資材価格の高騰、サプライチェーンの混乱による不確実性が高まったと説明。ただし米国を中心とした経済回復によって、MDF(中密度繊維板)の引き合いは強まっているとの見方を示している。
これは米国の家具・建材用途による需要増や南洋材合板の調達難に伴う代替需要増が影響している。また木造住宅の構造材LVL(単板積層材)の販売価格に影響を与える木材製品の市況価格も、高水準で推移していると説明した。
素材事業においては、売上高は1001億7700万円(対昨年同期比:24.1%増)、営業利益は129億5800万円(対昨年同期比:247.2%増)となっている。
前期末に国内MDF販売子会社を売却したことに伴う売上高の減少はあったものの、海外市場でのMDF販売や米国住宅市場でのLVL販売増、日本国内の新築住宅市場、リフォーム市場向けの畳用資材の販売増、公共・商業建築分野向けのダイライトの販売増などによって、増収となっている。また、米国における好調な住宅需要を背景とした木材製品の市況価格が高水準で推移したことや、防腐・高強度LVLといった高付加価値製品の拡販などが増益をもたらしている。
建材事業の売上高は919億700万円(対昨年同期比:3.6%増)、営業利益は26億8000万円(対昨年同期比:マイナス34.3%)を計上。新築住宅市場、リフォーム市場、公共・商業建築分野向けの床材・ドア・音響製品の販売増などにより、増収となっている一方で、納期遅延・受注制限による第4四半期連結会計期間の減収影響も重なり、減益となっている。
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