米労働省労働統計局がこのほど発表した「生産者物価指数(Producer Price Index)」で、建材価格が4月に0.5%上昇したことが明らかになった。針葉樹材の価格が15.6%下落した一方、その他の主要建材の価格は軒並み上昇傾向にあるため、物価が高水準にとどまったとみられる。
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建築資材の生産者価格は年初比で4.9%上昇し、前年同月比では19.2%増となった。コロナ禍の影響で住宅需要が増し、建材が値上がり始めた2020年の春~夏頃と比べると、35%も価格が上昇している。輸送料や倉庫保管料等の価格上昇も著しい。4月の増加幅は0.9%にとどまったものの、指数は年初比で13.3%、前年同月比で18.1%も上昇した。
針葉樹材の生産者物価指数は、2月、3月と上昇傾向にあったが、4月は15.6%下落。それでも、「直近の底」となった2021年9月の指数と比べると、60.4%も高い水準にある。
シカゴ・マーカンタイル取引所(アメリカ・イリノイ州シカゴ)における材木先物価格は、5月13日現在で769.7米ドル(約10万円)となっており、「ウッドショック」の影響で材木が異常に高騰していた1年前と比べると、半分程度にまで落ち着いている。
鉄鋼製品の生産者物価指数は、2.4%上昇し、2022年に入ってから初めての上昇を記録した。鉄鋼製品の指数は2021年を通して下落がなく、年間で128.0%も上昇していたため、再び上昇に転じた動きには注視が必要だ。
生コンの生産者物価指数は、3月に0.2%の僅かな下落を挟んだ後に上昇傾向に戻り、4月は1.3%の上昇となった。生コンの指数は所々に微減を挟むものの、全体としては上昇傾向が長く続いており、前年同月比では8.9%、昨年1月比では12.6%上昇している。
石膏製品の生産者物価指数は横ばいだった。石膏製品は鉄鋼製品と同様、2021年に入ってからの価格上昇が著しく、指数は前年比でプラス17.8%、2021年1月比でプラス23.5%となっている。
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